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Vol.56 不動産の売却は業者を競争させよう
住まいに関する質問や相談に
プロフェッショナルが様々な視点からズバリ答えるこのコラム。

今月は「不動産価格が低迷!?
今、売却するためのコツを教えてください」を取り上げます。

Q.予想もしていなかった転勤のため、
急遽、所有しているマンションを売却することにしました。

ただ、不動産の価格が急激に落ち込んでいる今の状態では
売却自体が可能かどうかも不安です。

住宅ローンもまだ残っている状態なので
あまり安く買い叩かれてしまうのも困ってしまいます。

このタイミングで不動産を売却するにはどうすればいいいか、
ぜひアドバイスをもらえますか。

(40代 男性)
今回は不動産セールスマンとしての豊富な経験をもとに、
個人向け不動産コンサルタントとして活躍している
諸星峻一さんに答えてもらいました。

諸星峻一 プロフィール

中央大学卒。旧財閥系不動産会社系列の仲介会社に入社。
同社を退職後、不動産セールスマン時代の
不動産取引の体験をもとに執筆活動を開始。

現在は不動産オーナー業の傍ら、
個人向け不動産コンサルタント、
ならびにマスメディア向けの取材協力、執筆、講演など多数。

主な著作:「不動産業者の正しい選び方・つきあい方」 (総合法令出版)ほか。


■投資的視点で考えれば下げ時は買い時


不動産にしても株式にしても、相場というものがあります。

相場とは、一般的には、市場で決まる値段や価格、
妥当とされる金額を意味します。
相場が上がるとか下がるとかいわれますが、
相場が下がっている時は、
所有している不動産や株を売却すれば、損が出ます。

逆に、相場が下がっている時に不動産や株を買えば、
将来値上がりしたときに売れば儲けがでます。

従って、相場が下がっている時は、
売るよりも買いを入れる時期なのです。

売却される場合についても、相場が下がっている状況では、
その下がりに応じた値付けをしないと売れません。

インターネットが普及した現代では、
購入される方もご自身で情報を集めたり、
相場観を把握されたりしていますから、
相場からかけ離れた売却価格を決めても、反響は少ないでしょう。

結果、早期売却ということは困難なはずです。

■なるべく有利な方法で売るためには


相場が下がっている状況で売却すれば
損が出る可能性が高いということはご理解いただけたかと思います。

そこで、なるべく出る損を少なく
売却するためにはどうしたらよいでしょうか?

ひとつには、不動産仲介業者を介さずに
自分自身で買い手を探すという方法があるでしょう。

仲介業者を介せば、売り主、買い主ともに
仲介業者に成約価格の3%+6万円(+消費税相当)
の金額を手数料として支払わなければなりません。

仮に3000万円で売却できた場合でも
100万円相当近くが手数料としてかかる計算です。

売り手である相談者さんにとっても100万円支払う必要が無ければ、その分値引きできるでしょうし、買い手としても100万円仲介業者に支払う分が無ければ、割安物件と感じてもらうことができるはずです。

そのための具体的な方法としては、ネットのオークションに出品してみるとか、自分で周辺にチラシを作って撒いてみるというやり方があります。

契約書についても市販されている書式がありますので、それに該当する内容を記載し、相互に取り交わせばよいのです。

個人間売買ですので、宅地建物取引業法にも抵触しません。

しかしながら、自分で買い手を探すといっても
「日中は本業があるので、無理」といわれる方もおられるでしょう。

その場合には、多数の業者に売却を依頼し、
業者間で競争させ早めに買い手を探してもらうという方法があります。

不動産の売却を依頼する際には、
「専属専任媒介」「専任媒介」「一般媒介」という
3つの媒介契約方式があります。
(媒介とは仲介と読み替えていただいてかまいません)

その中で、一般媒介での契約をし、買い手を探してもらう方法です。

専属専任や専任が1つの業者としか媒介契約を結べないのに対し、
一般の場合はいくつもの業者と重ねて
媒介の依頼をすることが可能な契約となっています。

1つの業者としか媒介契約を結ばなければ、
その業者が一所懸命買い手を探してくれないと、
すぐに成約になりませんし、業者自身が買い手を探せば、
仲介手数料も倍(両手)となりますので、
他業者へ情報を流さないという可能性もあります。
(早期売却に反する行為です)

一般媒介の場合は、売り主本人が情報を流す業者を選定できますし、
業者も自らが契約を取れないと報酬がもらえませんので、
早期に動いてくれる可能性が高いのです。

■売却せず、賃貸物件として運用も検討


さて、売却することを前提に話してきましたが、
相場が下がっている時点で売ることは
少なからず、損失を被ることになります。

しかしながら、売却しなければ、
(含み損として)実際に損失が出ることはありません。

長期的に下落することがわかっていれば
早期に売却した方がよいという場面もありますが、
一時的な下落であれば、そのタイミングで売らずに
時期を見て売却すればよいという判断もできます。

ローンの返済もあるとのことですから、
ローンの返済以上の賃料が得られるような賃貸物件として運用できれば、
必ずしも売却する必要性は無くなるのでないでしょうか?

ローンの残債、月々の返済額、売却予定額を総合的に考えて、
売るべきか、保有し運用すべきか決めるのがよいでしょう。

ローンの残債が、売却額を大きく超える場合には、
持ち出ししないと売れないという状況になりますので、
その場合には売却はあきらめて、
賃貸としての運用方法を考えるべきかと思います。

賃貸での運用により意外にも
月々数万円のお小遣いが得られる可能性もあります。

■値下がりしないマンションの選び方


値下がりしないマンションとは、ひとくちにいえば、
需要の高いマンションということになります。

所有されるマンションが、単身者向けの物件なのか、ファミリー向けの物件なのかにもよりますが、立地や間取り、設備といったものの人気が高ければ、買いたいと思う人も多く(需要が多く)、需要と供給のバランスからも価格が下がりにくいということになります。

同様に、需要のあるマンションであれば、借りたいというニーズも高いエリアと思われます。

売却せずに、賃貸に出したとしても高収益をあげられる可能性もあります。

逆に、買いたいと思う人が少ない(需要が少ない)物件では、
価格を下げなければ売れないという状況が発生します。

都心のマンションは価格を維持しているのに対し、
郊外のマンションでは軒並み価格が下がっているというのも、
このような理由があるからなのです。


今回のポイント!

・下げ時に売るのは損、逆に下げ時は買いのチャンス。

・費用を掛けずに自分で売る方法もある。

・業者間に競争させ早期に売却をはかる。

・売却せずに賃貸不動産としての運用を考えるのもあり。

・値下がりしない(しにくい)マンションを買っておこう。
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