賃貸や法律、発毛や脱毛、スキン、介護など生活に役立つ情報が満載です。
Vol.92 更新料無効の判決は特異なケース住まいに関する質問や相談に
プロフェッショナルが様々な視点からズバリ答えるこのコラム。
毎月最終週は、「住まい」に関する
タイムリーな話題を取り上げて、わかりやすく解説をします。
今回とりあげる話題は、
「賃貸住宅の更新料『無効判決』その影響は!?」です。
京都府在住の20代の男性会社員が、
更新料など46万6000円の返還を大家さんに求めた訴訟で、
2009年7月23日、京都地裁は「更新料は無効」
とする初の判断を示して、大家さんに全額の支払いを命じました。
この判決によって、今後、部屋を借りるときの
更新料はどのようになるのでしょうか。
不動産セールスマンとしての豊富な経験をもとに、
個人向け不動産コンサルタントとして活躍し、
自身も賃貸不動産のオーナーでもある
諸星峻一さんに詳しく聞いてみました。
諸星峻一 プロフィール
宅地建物取引主任者、住宅ローンアドバイザー
旧財閥系不動産会社系列の仲介会社を退職後、
不動産セールスマン時代の不動産取引の体験をもとに
執筆活動を開始。
執筆、講演、マスメディア向けの取材協力など多数。
現在は不動産オーナー業の傍ら、不動産売買・賃貸・投資の
総合不動産コンサルタントサイト「RE-BR@INS」を主宰。
主な著作:「不動産業者の正しい選び方・つきあい方」(総合法令出版)
「オタスケ不動産マンがマイホームマル秘購入法教えます!」(オーエス出版)
ほか多数。
■今回の訴訟、実は特異なケース
そもそも、賃貸住宅の更新料とはどのようなものなのでしょうか。
「更新料とは、戦後、昭和20年代、東京が焼け野原となった
住宅難の時代には貸し手市場だったために、
借り手が契約時や2年ごとの契約更新時に大家さんに便宜をはかってもらうために、
礼金や更新料を支払うようになったのがはじまりと聞いています。
不動産の賃貸は、売買にくらべて法律上の規制が厳しくないので、
敷金・礼金・更新料のような制度も地域の慣習や商習慣によって、
それぞれの地域で決められているケースが多いですね。
ちなみに民法や借地借家法においても契約時や更新時に
敷金・礼金や更新料を支払わなければならないという規定はありません。
関東だと敷金と礼金がそれぞれ家賃の1ヶ月や2ヶ月分、
更新料も家賃の1か月分といった物件が多いですが、
関西だと敷金がなく、かわりに保証金が家賃の半年、1年分という
こともあるようです」
なるほど、ちなみに今回の判決を不動産業界の方は
どのように感じているのでしょうか。
「私が取材した限り、賃貸不動産を扱っている業者の間では
今回の京都の大家さんはきわめて特異なケースだと考えられています。
実は私も同感なんです。
どこが特異かといえば、言葉は悪いですが
『ちょっとガメツイ』ように思います。
更新料を家賃の2か月分もとったり、
保証金の35万円もほとんど返さなかったようですし。
明確な理由もなく、それだけのお金をとっていたことが
今回の判決に結びついたのではないでしょうか」
■礼金・更新料は現状にはあわなくなっている!?
そうすると今回の判決を、
業界としては比較的冷静に受け止めているんですね。
「確かに今回は更新料の無効が認められたはじめてのケースです。
これまでは更新料に関しては、契約書とおりに対応していれば
大家さんが負けることはありませんでした。
その意味では今回の判決はニュース性がありました。
ただ、家賃の1ヶ月分程度の更新料であれば過大な料金とはいえないでしょうし、
『契約時にきちんと説明をしていれば、これまでとおり問題はない』
というのが大多数の不動産業者の見解だと思います」
更新料などの費用は今後、どのようになっていくと予想されますか。
「敷金は入居者が故意や過失で部屋を汚したり壊したりした際の
担保として預かっているのでちょっと性格が異なるのですが、
礼金と更新料は大家さんに対する謝礼的な意味合いが強いので、
賃貸物件が余っている借り手市場の現状には
あわなくなってきているのは事実です。
私の個人的な意見ですが、
今後、時代の変化に応じ意識を変えられない大家さんは、
不動産経営が危なくなっていくのではないかと考えています」
最近では敷金・礼金をなくし、その分を家賃に上乗せして、
初期費用を抑えるようにした物件も人気のようです。
更新料などの習慣がすぐになくなるとは思えませんが、
不動産の借り手市場が続けば、少しずつ消費者にとって
有利なように状況も変わっていくのではないでしょうか。
今回のポイント!
・礼金、更新料は戦後の住宅難の習慣が残ったもの。
・更新料無効の判決はそもそも訴訟内容がレアケース。
・今回の判決を不動産業界は冷静に受け止めている。
・今後は大家さんの意識も変わっていく可能性がある。
ご質問&お悩みを募集しています
『知って得する不動産選び必勝講座』では、あなたのご質問&お悩みを募集しています。
寄せられた質問、お悩みの中からピックアップをして、このblogで専門家がわかりやすく解決方法をアドバイスいたします。こちらの何でも質問&お悩みフォームから、どしどしご応募ください。
住まい:買う|借りる|建てる|売る|リフォーム|住宅ローン|引越し
http://myhome-sodan.blog.so-net.ne.jp/2009-08-25