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Vol.55 大人なら不動産契約に責任を持とう
住まいに関する質問や相談に
プロフェッショナルが様々な視点からズバリ答えるこのコラム。

今回もVol.52、Vol.53、Vol.54に引き続き
「一度契約したマンション、手付金を放棄してでも値下がりを待つべき!?」
を取り上げます。

Q.先日、新築マンション購入の契約をし、
手付金として10万円を支払ったのですが、
その後現在のような不動産不況、
特にマンション不況が深刻になってきて、会社の上司からも
「手付金を放棄してでも見送った方がいい」
といわれ、どうしたらいいか迷ってます。

正直いって「もう少し価格が落ちればいいなぁ」
というのも本音です。
 
竣工は来年3月ですので入居まで、まだまだ時間はあります。

私の場合、郊外型大規模マンションなのですが、
今後このマンション不況が続き
値下りが現実的なものとなった時に、
すでに契約している私自身も
改めて値引き交渉できるものなのでしょうか?

そもそも一度契約をしたら、
後でそのマンションが値引き販売をしたところで
当初の金額で我慢せざるを得ないのでしょうか?

(40代 男性)
今回はマンションディベロッパー、不動産仲介業で営業を経験し、
宅地建物取引主任者の資格も持っているファイナンシャルプランナーの
いとうみき さんに答えてもらいました。
いとうみき プロフィール
ファイナンシャルプランナー
宅地建物取引主任者

1977年生まれ。鳥取県米子市出身。

外資系生命保険会社を経て、マンションディベロッパー、
不動産仲介業において営業を経験。

現在は定期刊行誌、新聞社webコラムなどへの執筆業務のほか、
セミナー講師、個人向けFP相談を務めるなど多方面で活躍中!
アメリカのサブプライムローン問題に端を発した、
先行きの見えない世界的な金融不安が続く中、
不動産会社の倒産も相次いでいます。

今回のご相談者さんは、すでに契約をされたケースですが、
これから住宅を購入しようと考えている方の中にも、
同じように「本当に今、住宅を購入してよいのだろうか?」
と不安になっている方も少なくないでしょう。
しかし、そもそもマイホーム購入におけるベストな時期は、
家族構成やライフプランによって異なるものです。

まずは、マイホーム購入についての予算や希望を
ご家族の中で明確にしておかなければ、
他人の根拠のない意見にふりまわされることになってしまいます。

■契約後の値引きはまず無理!
確かに、売れ行きが不調であったり、決算時期の直前であったり、
状況によっては新築マンション購入の際に
値引き交渉が可能なこともありますが、
値引きを受けた人は他言禁止の誓約書を書くことになりますので、
値引きがあったかどうかは外部からは見えないものです。

基本的には売れ行きが順調である新築マンションにおいて、
値下げはまずないと考えておかれた方がよいでしょう。

また、今回のご相談者さんは売買契約をすでに済まされています。

売買契約とは売主が所有権などを買主に移転することを約束して、買主がその代金としていくら支払うか等を約束するものですから、売買契約後の値下げ交渉はまず無理です。

立地や間取りなどの様々な条件について納得した上で、「この価格で購入しよう!」と契約という形で約束をしたのですから、後になってから市況を持ち出して、「約束の内容を変えてくれ!」というのは虫のいい話です。

マンション不況と報じられて久しいのですから、
市況を鑑みて、値下げ交渉をする時間は
契約にいたるまでに十分にあったものと考えられます。

■安ければいい?
仮に、数か月後、全体的にマンション価格が下落したとしましょう。

そのとき、ご相談者さんはマンションが安くなったからといって、
希望に沿わない物件を喜んで購入するでしょうか?
答えはおそらくNOですよね。

全体的にマンション価格が下落したからといって、
現在契約をされている新築マンションと
立地や間取りなどの諸条件が同程度のものが
安く購入できる保証はどこにもありません。

しかし、ご相談者さんがマイホーム購入について
「安ければ何でもよい!」「購入時期がいつになってもよい」
とお考えであれば、ご契約されたマンションを
手付金放棄によって解約されて、
いつ来るかわからない「安くなる時期」を
じっとお待ちになるのもよいでしょう。

その場合は契約書を見直して、手付金放棄だけで済む時期なのか、
違約金も発生する時期なのかを確認されることを忘れないでください。

■我慢ではなく責任をもつ
できることなら、いいものを安く手に入れたいのは誰だって同じこと。

しかし、立地や間取りなどの諸条件を満たす物件と出会い、支払にも無理がないと判断した上で、売買契約を締結したのはご相談者さん本人です。

今回の相談内容を見てみると、契約されたマンションを気に入っていらっしゃるように思います。

もし、契約されたマンションを気に入っていらっしゃらなければ、上司の方の言葉通りに解約をされていたのではないでしょうか?

後になって、
「どうやら値引き販売をしているようだ・・・」
と噂が耳に入っても、それを
「我慢しなければならない」と考えるのではなく、
「値引き交渉が必要な不人気な部屋ではなく、
 自分の望んだ部屋を手に入れることができた!」
と自分の契約行為に責任を持ち、
前向きに考えることが大人の行動ではないでしょうか?


今回のポイント!

・契約後の値引き交渉はムリ!
 値引き交渉の余地は契約前に確かめること!

・マンション価格が下落したとしても、
 希望に沿う物件があるとは限らない!

・一度行った契約には責任をもつのが大人!
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